食後高血糖とは?他人ごとではない「かくれ糖尿病」

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年々、糖尿病予備軍「かくれ糖尿病」が増加中!?

血糖値は正常なのに実は糖尿病の可能性がある「かくれ糖尿病」の方が近年増えています。

病院や健康診断では、空腹時に採血し、血糖値を測定しますが、それだけでは把握できていないタイプがあります。それが、食後高血糖です。

 

空腹時は正常なのに、食後の高血糖が異常に高くなる「かくれ糖尿病」。

健康診断では見逃されてしまい気が付いたら、糖尿病が進行していることがあるのです。さて、あなたは大丈夫ですか?

血糖値の働き

食事をすると、誰でも血糖値が上昇していきます。

炭水化物や糖類などは、胃で分解され、小腸でブドウ糖(グルコース)の形で吸収され、血液中に入ります。これを「血糖値」と呼びますが、血糖値が上がっていくと、すい臓からインスリンというホルモンが分泌され、血糖をエネルギーへと交換していきます。

 

インスリンは、血液中の臓器細胞にブドウ糖をとり込み、血糖値を下げるほか、筋肉にとり込まれたブドウ糖は貯蔵糖として合成されるのを促進させるほか、肝臓にとり込まれたブドウ糖は体脂肪として蓄積させるなどの働きがあります。

 

インスリンが正常に働いている場合、血糖値の上昇は緩やかでしばらくすると元の値(110mg/dl未満)に戻ります。

 

気づかれにくい「かくれ糖尿病」とは?

インスリンの分泌などに異常がある場合、食後、血糖値が急上昇し、なかなか血糖値が下がらないで高い状態が続きます。食後2時間後の血糖値が140㎎/dlを超える場合、食後高血糖と呼ばれ、糖尿病への疑いも出てきます。

 

このまま高い状態が続けば、「糖尿病」として判定ができますが、初期の食後高血糖などは、時間が立つことで緩やかに血糖値が下がって正常値に戻っていくため、気づかれにくいのです。(日本糖尿病学会による糖尿病型の診断基準は、空腹時血糖値:126㎎/dl以上 、75g経口ブドウ糖負荷試験2時間後:200㎎/dl以上、随時血糖値200㎎/dl以上のいずれ、HbA1c6.5%以上とされています。)

 

食後高血糖の状態は、放置していれば、糖尿病へのリスクもあげますし、血糖値が高い状態が続いていることで、血管には負担をかけ、血管の炎症へ繋がっていきます。

(通常 空腹時血糖値:80~100mg/dl、食後血糖値140mg/dl未満です。)

 

厚生労働省が毎年行っている「国民健康・栄養調査」(平成28年)の結果では、「糖尿病が強く疑われる者」は約 1,000 万人と推計され、平成9年以降増加し、初めて1000万人突破しました。

 

また、「糖尿病の可能性を否定できない者」も約 1,000 万人と推定されました。

「糖尿病が強く疑われる者」のち、治療を受けている者の割合は76.6%で、男女別でみると男性78.7%、女性74.1%で男女とも増加していいますが、働き盛りの40代男性は治療を受けている割合が他の年代に比べ低い結果となりました。

 

糖尿病が増加している中でも、きちんと治療し、血糖値の管理を継続するのはなかなか大変です。糖尿病にならないように、そして知らないうちに糖尿病のリスクを上げていく「かくれ糖尿病」どちらも早めに意識していく必要があります。

 

もうひとつの問題「血糖値スパイク」

通常の血糖値は食後1時間後をピークに(140mg/dl未満で)緩やかに上がり、緩やかに下がります。しかし、食後の血糖値が140mg/dl以上に急上昇し、その後短時間で急降下する血糖値の変動を「血糖値スパイク」といい、「隠れ糖尿病」と合わせて注目されています。

 

食後にだけ急上昇しているので、なかなか見つけづらく、そして、誰もが起こる可能性があります。

血糖スパイクは、「空腹時に、炭水化物や砂糖、ブドウ糖果糖などを摂取すること」「食事を抜くこと」「炭水化物などをどか食いすること」など食べ方も原因となります。

 

血糖値の急激な変動は、体調の変化としてはだるさ、眠気、頭痛などの症状が起こり、仕事や日常生活の効率を下げてしまうほか、知らずに血糖スパイクを繰り返していると、糖尿病だけでなく動脈硬化が進み脳卒中や心筋梗塞、がん、認知症などの発症リスクを高めることがわかっています。血糖値の問題は、太っている男性におこる病気と思いがちですが、実は、若くて細い女性でも血糖値スパイクの可能性は大いにあるのです。

 

なぜ高血糖がいけないの?

「血糖値が高くなっても、下がれば問題ないんじゃないの?」と考えている方もいますが、実は、短時間でも高血糖状態になることは、血管への大きな負担になっています。それが、「糖化」という症状です。体内で、余分な糖はたんぱく質と結合し、体温で熱せられて「糖化」が起こります。

 

糖化とは、タンパク質と糖が合わさり、熱によって反応して起こる老化の要因となる状態を指します。 

例えば、甘い卵焼きと出し巻き卵を想像してください。砂糖(糖)たっぷりの卵(タンパク質)焼きは、加熱するとコゲやすいですが、砂糖の入らない出し巻き卵は、焼き色もつきづらく黄金色でつるんとしています。

 

カラダの中でも、血糖(糖)と血管(タンパク質)が体温(加熱)で温められて、糖化が進んでいるのです。さらに長時間、高濃度の糖が結合していると、たんぱく質が変形し、最終産物の「AGE」(終末糖化産物)となります。このAGEが老化促進物質です。

 

活性酸素により血管が傷つくことを「サビ」と表現したりしますが、糖によって血管が傷つくのは、「コゲ」と表現します。どちらも、血管の炎症を引き起こし、狭心症や脳梗塞など重大な血管の病気へ結びつく危険があります。

 

さらに、この糖化は、血管だけでなく、カラダ全体の老化にもつながります。

体は、たんぱく質で構成され、血管、皮膚、髪の毛などさまざまな臓器に存在しています。皮膚もコラーゲンなどのたんぱく質で構成されていますが、糖化しAGEになると肌の弾力が失われシワやたるみの原因となりますし、シワだけでなく、動脈硬化、骨粗しょう症、脂肪肝、白内障、がんなどの原因になっていることが明らかになってきました。

高血糖状態は、糖尿病のリスクだけでなく、老化の原因なのです。

 

血糖値の変動を抑え「かくれ糖尿病」予防のための5つのポイント

1. 糖の大きさを意識する

血糖値を変動させる栄養素は、糖質です。糖質とは、炭水化物から食物繊維を引いたもの。つまり、主食として食べているごはん・パン・麺類や、いも類・ほくほくとした野菜、甘みのある野菜や果物、お菓子やジュースなどには、種類が異なりますが、全て糖質が含まれています。

 

一番吸収が早いのがブドウ糖や果糖などの「単糖類」です。単糖は、最小の糖の形のため、分解する必要がなく、口に入れた瞬間から吸収され、血糖値を上げていきます。単糖類のうち、果糖は、血糖値の上昇は少ないのですが、インスリン分泌を促進させないなど代謝調整ができず、ブドウ糖とは別の代謝経路によって、中性脂肪をあげ、高尿酸血症のリスクを上げるため、単糖類での摂取はどちらにしてもお勧めしません。こうした単糖類は、嗜好品や嗜好飲料などに多く、表示では「ブドウ糖果糖液糖」などの表示があれば、血糖値が上がりやすいと考えましょう。

 

次に上がりやすいのが、砂糖(ショ糖)などの二糖類です。砂糖は、ブドウ糖1つと果糖1つがくっついているもの。そのほか、乳糖、麦芽糖などの糖も二糖類です。こちらも血糖値は上がりやすいと考えて良いでしょう。砂糖などを使った料理、パン、お菓子、嗜好品、がここに該当します。

 

ゆっくりと上がるのは、多糖類です。お米や麦などのデンプンは、多糖類で、ブドウ糖が連なったものです。これをゆっくりと分解していくので、吸収は比較的緩やかです。さらに、お米や麦などには食物繊維がプラスされています。この食物繊維によっても消化が緩やかになるのです。

つまり、主食の中でも、食物繊維が多く含まれる方が吸収が緩やかになりますので、米よりも雑穀米や玄米、小麦粉よりも小麦、胚芽入りのもの、白い蕎麦よりも皮付きの蕎麦などの方が吸収が緩やかになります。

 

2. 血糖値の急上昇を抑える「ベジファースト」

血糖値の上昇を抑える働きとして、オススメなのがベジファーストです。野菜、つまり食物繊維を最初に食べることで血糖値の上昇を緩やかにする方法です。食物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維があります。

 

水溶性食物繊維は、消化液と合わさって、ゲル状になることで、食べ物が胃から十二指腸への移動を遅らせます。さらに、でんぷんの吸収をゆるやかすることで、血糖値の急上昇を緩やかにし、インスリンの分泌を抑える作用があります。

 

水溶性食物が多い食品は、もち麦、ごぼう、バナナ、こんにゃく、海藻類などがありますが、水溶性食物繊維にこだわらず野菜・海藻類、きのこ類・こんにゃくなどを先に摂取することを意識してみましょう。

 

外食では、なるべく1品、「野菜をつける意識」をしてみましょう。コンビニやスーパーのお惣菜コーナーでもサラダ類が充実しています。価格を抑えるのであれば、カット野菜やプチトマトを買うなどの方法もおすすめです。野菜が多く含まれるおかずを選ぶことも良いですね。

 

食事の時は必ず「食物繊維など野菜を食べること」そして、なるべく一番最初に食べておくと効果的です。

 

3. 食事は3食リズムよく

 食生活において、食事を抜くことで、次のタイミングで血糖値の上昇率が上がることがわかっています。「朝は食べた方が良い?」というご質問も良くありますが、朝を抜くことは、夕食から15時間以上(夜21時に食べ終え、翌日の昼12時に食べた場合)の絶食時間を作ることと同じです。

 

朝から大量に食べる必要はありませんが、3食を意識すること、時間帯をなるべく同じにすることなどを意識することがおすすめです。

 

また、常に何かを口にしていたり、お菓子やジュースをちょこちょこと食べるなどは、何度も血糖値を上げ、血糖値が高い状態が続く大きな原因です。

 

 

4. 飲み物に要注意

食生活は意識しているけれど、飲料についてあまり意識をしていないという方も多くいます。甘い嗜好飲料には、多くの糖分が単糖類というとても吸収しやすい形で入っていることが多いため、血糖値の急上昇に繋がります。

 

例えば、スポーツドリンク(500ml)には、角砂糖で換算すると8〜10個の糖質が入っています。炭酸飲料(500ml)は各砂糖約19個と同じ糖質が含まれています。これを食間や空腹時に飲むことで、ダイレクトに吸収され、より急上昇へつながるわけです。

 

見落としがちなものとして、100%フルーツジュースや野菜ジュースなどがあります。100%の果物ジュース(500ml)でも各砂糖約13個の糖類が含まれ、健康のためにと思って飲んでいても逆効果の場合もあります。

 

飲み物は、糖の含まれないお茶、水、炭酸水などを習慣化しましょう。

 

5.  食後の運動は、血糖コントロールにもダイエットにもなる

食事の他に、血糖値のコントロールが出来るのは運動です。食後一時間以内にウォーキングするなど運動を取り入れることで、食後の急激な高血糖を防ぐことができます。食事をしたら、ゆっくり休むのではなく、思い切って、15〜20分散歩に出かけましょう。

 

血糖値の急上昇を抑えることで、脂肪の蓄積予防にも繋がりますので、食後の運動は、効果が高いと言えます。

 

そのほか、こまめな運動によっても、血糖値は抑えられますので、駅や階段などでなるべく歩くことなど、5分ずつでよいので、動くことを意識すると血糖を抑えることができます。

 

いかがでしたでしょうか?

自分の食生活に心当たりがあると思われた方、もしかすると「隠れ糖尿病」に近づいて行っているかもしれません。日常の意識で、防げることを今日からはじめてみませんか?

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