栗の栄養を徹底解説!小さい実に栄養がギッシリ!
普段何気なく食べている栗ですが、実はあの小さい実に栄養が豊富に詰まっています。
食生活を見直したいと考えている方の中には、どのような食品を食べたらいいか分からない方や、どのような栄養素を取り入れたらいいのか分からないという方も多いと思います。
そのような悩みを抱えている人は、まずは栗を食事に取り入れてみることがおすすめです。今回の記事では、栗にはどのような栄養素が含まれているのかについて、詳しく解説していきます。
栗の基礎知識
栗には、豊富な栄養が含まれています。栗は縄文時代や戦国時代から人々に親しまれている食品で、古い歴史があります。古代の栗は今の栗よりも小粒で、収穫量も現在と比べると少ないため、古代の人々にとっては栗が貴重な栄養源だったのです。
主成分
栗の主成分はデンプンで、100gでご飯100gと同じくらいのカロリーです。ミネラルも豊富に含まれているため、栄養バランスがとても良い食品です。
種類
栗は、大きく分けると日本栗、西洋栗、中国栗の3種類に分けられます。日本栗は、他の2種類と比べると粒が比較的大きいことが特徴です。また、日本栗の中にもたくさん種類があります。
栗の栄養1.ビタミンCでストレス耐性アップ
栗には、ビタミンCが豊富に含まれています。通常ビタミンCは熱に弱いですが、栗はデンプンに包まれているため、加熱しても栄養が逃げにくいと言われています。ビタミンCには、免疫力を向上させてくれる作用があるため、風邪予防効果にも期待ができます。
ストレス耐性アップ
ビタミンCが不足してしまうと、ストレスを感じやすくなってしまう場合もあります。人間がストレスを感じた場合、コルチゾール(抗ストレスホルモン)が分泌されます。しかし、ビタミンCが不足した場合、コルチゾールが十分に分泌されなくなってしまうことがあり、ストレス耐性が弱くなってしまいます。
栗に含まれるビタミンC含有量
栗には、一粒辺り大体33mgのビタミンCが含まれていると言われています。成人男性のビタミンC摂取量目安は、1日に約100mgと言われているため、栗で言えば3粒食べればいい計算になります。ちなみに、ストレス耐性を上げるために効果的な摂取量は、一日に約1000mgで、上限摂取量は約5000mgとなっています。
栗の栄養2.炭水化物で脳を活性化
栗は炭水化物か
栗は炭水化物なのかという疑問を持つ人も多くいますが、正確に言うと、栗は炭水化物ではなく炭水化物を含んでいる食品です。
炭水化物で脳が活性化する
炭水化物は、脳のエネルギー源となっています。そのため、炭水化物を摂取する事で脳が活性化し、集中力が増すなどというメリットを得ることができます。
栗に含まれる炭水化物量
栗には、一粒に大体7.4gの炭水化物が含まれています。しかし、栗だけで炭水化物を補おうとするのではなく、ほかの食品をバランスよく食べることで、効率的に脳を活性化させやすくなります。
栗の栄養3.マンガンは骨を健康に保つ
栗にはマンガンが豊富
栗には、ミネラルの一種であるマンガンが豊富に含まれています。マンガンは栗以外にも種実類に多く含まれている成分です。
効果
マンガンは、タンパク質や炭水化物、脂質などの酵素の構成成分となるため、代謝を促す効果があります。更に、骨を形成するために必要な成分でもあります。骨は、カルシウムやリンでできているのではないかという疑問を持つ方もいますが、マンガンはカルシウムやリンが骨として石灰化するときに必要不可欠な成分になります。また、マンガンが不足すると骨粗しょう症になりやすくなったり、骨の成長を妨げてしまうこともあるため注意が必要です。
栗に含まれるマンガン含有量
栗一粒辺りに、マンガンは大体0.65mg配合されています。成人男性の場合、摂取目安量が一日に約4.0mg、成人女性は約3.5mgとされているため、栗を食べることによって、体内に必要なマンガンを補うことができます。
栗の栄養4.カリウムで高血圧予防
栗には、一粒辺り約84mgのカリウムが含まれています。体重約1kg辺り約2gのカリウムがあり、生きていくためにはカリウムは欠かせない栄養素です。
作用
カリウムは、ナトリウムの排泄を促すことで血圧を下げるという作用があります。ナトリウムを多く含む食品としては食塩などが挙げられますが、ナトリウムを多く摂取してしまうと高血圧の危険性が高まります。そのため、栗を食べてカリウムを多く摂取することで、高血圧予防効果に期待ができるのです。
摂取目標量
カリウムの摂取目標量は、18歳以上の男性で約3000mg、18歳以上の女性で約2600mgとされています。上限摂取量は、男女ともに約3500mgで、これを超えると過剰摂取となってしまいます。栗であれば一粒に約84mgのカリウムが含まれていますが、過剰摂取になる個数を1日に取ることはないでしょう。
カリウムを多く取りすぎるとどうなるか
カリウムを過剰摂取してしまうと、高カリウム血症になってしまう可能性があります。高カリウム血症は、不整脈や心室細動など心臓病を引き起こす場合もあります。
栗の栄養5.食物繊維で便秘改善
栗には食物繊維も豊富に含まれています。含有量で見ると、サツマイモの2倍以上ともいわれています。
効果
食物繊維には、腸内の環境を整える効果があり、便秘改善を促してくれます。栗には不溶性食物繊維と呼ばれる食物繊維が多く含まれており、水に溶けにくいため腸内の水分を含み、膨張することで腸を刺激してくれるのです。
栗に含まれる食物繊維量
栗には、一粒辺り約0.8gの食物繊維が含まれています。18歳以上の男性の摂取目標量は一日20g、18歳以上の女性では18gとされています。しかし、日本人の年代別食物繊維摂取量は、
15歳から19歳 男性15.4g 女性12.2g
20歳から29歳 男性13.1g 女性11.8g
30歳から39歳 男性13.3g 女性12.5g
40歳から49歳 男性13.9g 女性13.0g
50歳から59歳 男性14.8g 女性14.4g
60歳から69歳 男性16.8g 女性16.8g
70歳以上 男性17.0g 女性16.1g
となっており、10代から40代までの摂取量が男女共に少ないことが分かります。
食物繊維が不足するとどうなるか
体内の食物繊維が不足してしまうと、便秘になってしまう可能性や太りやすくなってしまう可能性が高くなります。理由は、食物繊維が不足すると栄養の吸収が早くなってしまうため、満腹感を感じるのが遅くなってしまい、食べ過ぎてしまう場合があるからです。
また、食物繊維が不足し、便秘になってしまうと腸内に便が長く滞在するため、大腸がんを引き起こす原因となってしまうこともあります。
食物繊維を取りすぎるのも危険
栗には、不溶性食物繊維が多く含まれており、摂取しすぎてしまうと腸内に必要な水分まで吸収してしまうため、便が硬くなり逆に便秘になってしまうことも考えられます。
栗の栄養6.ビタミンB1で疲労回復
ビタミンB1の効果
栗にも含まれているビタミンB1には、疲労回復効果があると言われています。人間が活動するためにはエネルギーが必要です。そのエネルギーは糖質が主体となって担っていますが、糖質だけではエネルギーにはなりません。糖質にビタミンB1が作用することでエネルギーとなります。
日本人には特に必要な栄養素
日本人はお米を主食として食べることが多いです。その際に、玄米や胚芽米を食べている人であれば、ある程度のビタミンB1を補うことができます。しかし、白米にはビタミンB1が少ないのです。というのも、ビタミンB1は、米の胚芽部分に多く含まれていますが、白米の場合はその部分が削り取られてしまっています。ですから、白米を多く食べているという人は、ビタミンB1が不足してしまう場合も考えられます。
ビタミンB1が不足するとどうなるのか
ビタミンB1が不足すると、糖質がエネルギーとして働きにくくなるため、疲れを引き起こします。そして、細胞内に乳酸が溜まるようになってしまい、どんどん疲れが蓄積してしまう場合があります。
栗に含まれるビタミンB1と摂取量目安
栗には、一粒辺り約0.04mgのビタミンB1が含まれています。日本人の食事摂取基準としては、
18歳から49歳男性平均必要量1.2mg推奨量1.4mg
50歳から69歳男性平均必要量1.1mg推奨量1.3mg
70歳以上男性平均必要量1.0mg推奨量1.2mg
18歳から49歳女性平均必要量0.9mg(妊婦1.0mgから1.1mg)(授乳婦1.0mg)推奨量1.1mg(妊婦1.0mgから1.2mg)(授乳婦1.0mg)
50歳から69際女性平均必要量0.9mg推奨量1.0mg
70歳以上女性平均必要量0.8mg推奨量0.9mg
となっています。
栗の栄養7.銅で貧血予防
栗には、ミネラルの一種である銅も豊富に含まれています。銅は赤血球の形成を促す成分であるため、不足すると貧血を起こしやすくなります。そのため、栗を食べることで、貧血予防効果もあります。
栗に含まれる銅の量と食事摂取基準
栗には、一粒辺り大体0.06mgの銅が含まれています。栗に含まれる銅の含有量は、ナッツ類でも比較的多いです。日本人の一日の食事摂取基準は、
18歳から29歳男性0.9mg
30歳から49歳男性1.0mg
50歳から69歳男性0.9mg
70歳以上男性0.9mg
となっており、摂取上限量は10mgです。
18歳から69歳女性0.8mg
70歳以上女性0.7mg
となっており、上限摂取量は10mgです。
栗の栄養8.タンニンはアンチエイジングに期待
タンニンの効果
タンニンという栄養素には、肌の引き締めや美白効果があります。タンニンには、タンパク質を変形させ、組織などを縮める収れん作用があります。収れん作用は、毛穴を引き締める効果もあるため、アンチエイジング効果に期待ができるのです。また、メラニンの増殖を抑えるというはたらきもあるためシミ予防にも効果を発揮します。
タンニンの取りすぎには注意
タンニンは、アンチエイジングの効果など体内で良いはたらきをしてくれますが、取りすぎには注意が必要です。タンニンを取りすぎてしまうと、鉄と結合して体内で水に溶けにくい形に変形します。そうすると、腸から鉄が吸収されにくくなるため、貧血を引き起こす原因となる場合があります。また、タンニンには便を固くするはたらきもあります。下痢止めの効果がある反面、摂りすぎてしまうと便を固くしてしまい、便秘になってしまうことも考えられます。
おいしい栗の選び方と保存方法
数ある栗の中からおいしい栗を選ぶためには、いくつかコツがあります。
虫食いや傷がない物を選ぶ
おいしい栗を選ぶためには、まずは虫に食われていない物や傷が付いていない物を選ぶことが大事です。というのも、虫に食われていたり、傷がついている栗は見た目も悪くなりがちですが、それだけでなく虫食い跡や傷から水分が蒸発してしまっている可能性があるのです。ですから、できるだけ傷や虫食いがないものを選ぶことがポイントです。
重さに気を付ける
栗を持ってみて、ずっしりと重みを感じるものを選ぶことも重要です。軽い物は水分が蒸発してしまっている可能性が高いです。その際に、皮にツヤがあるものを選ぶと更に良いです。
味と栄養を落とさない保存方法
栗の保存方法は、生栗であればチルドで、1から2カ月程度保存しておくことがおすすめです。そうすることにより、デンプンが分解されより甘味が増します。加熱後の栗は皮をむいた状態で冷凍をしておくことがおすすめです。そうすることで、解凍してすぐに食べることができます。
栄養豊富な栗料理を楽しもう
栗には、さまざまな食べ方があります。料理の方法によって同じ栗でも全く違う味になるのです。蒸してそのまま食べれば素材の味を十分に楽しむことができます。他にも栗ご飯にしたり、くりきんとんにしたりと楽しみ方はたくさんあります。このように、栄養豊富な栗には食べ方がたくさんありますので、さまざまな栗料理を試してみましょう。
栗は自然からの贈り物!
栗は、古代から食べられてきた歴史ある食べ物です。今では主食にこそならないですが、昔は栗が貴重な栄養源だったのです。栗料理にもたくさんの種類があり、それぞれの料理で栗の違った味わいを楽しむことができます。食事を改善したいと考えている人で、何から始めたらいいか分からないという方の場合は、是非栗を食事に取り入れてみることをおすすめします。
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